暮らしと風景の保存
2025-04-27
暮らしと風景。かやぶきの里には暮らすからこその風景がある。
冬が去り、春も終わりかけの新緑の頃。集落内も草木で青々と新芽を出しはじめる。
ひな壇状に美しく並ぶかやぶきの足元には美しく積まれた石垣をそこらじゅうに見ることができる。
かやぶきの里は平成5年に国の重要伝統的建造物群保存地区として選ばれた。
かやぶき屋根が多く残るこの集落は田んぼや川、背後にある山々とともにその暮らし丸ごと保存地区となっている。
村じゅうにある石垣も保存対象となっており、住民の手で草引きや壊れた場所の修復なども行われている。
また、春や秋の季節には村じゅうの至る所で様々な花が咲く。
家の周りの道端やアスファルトの小さな隙間にも庭や畑から漏れ出た花たちが強く生きている光景を目にすることができる。
集落内では多くの園芸種の花たちが半ば自生するかのように自然とマッチした村の女性が繋いできた美しさがある。
しかし、ふと農道に入れば、男たちの田んぼや畑作業の傍で自制する野草や薬草、草花が並ぶ。
生きていること、暮らしているからこそのこの風景は人と自然が調和し、循環することで暮らしと風景が保存されている。