暮らしとともにある風景を守ること
暮らしとともにある風景を守る。
かやぶきの里の愛称で親しまれる「南丹市美山町北集落」は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
ひな壇状に並ぶ茅葺とその風景は日本の一般的な農村集落でその景観を今も残している。
各家には庭等があり、枝垂れ桜や松、梅、百日紅、花桃、紅葉、銀杏など多くの植栽が見られる。
どれも基本的には個人で管理され、今もなお季節によって美しい花を咲かせている。
しかし近年、集落内の松が減少している。
その多くは松枯れと言って、害虫が侵入し、松を食い荒らしてしまうことで枯れてしまう。
松の木は茅葺き民家に対して重要な存在であり、これまで暮らしを守ってきた木でもある。
日本の文化としてお正月には門松を飾る。松の木には古くから長生きと健康のシンボルとされており、健康と幸せを願ってきた。
しかし全国的に松枯れの被害は拡大し続けている。
松には縁起のいいこと以外にも家の周りに植えられていることには役割りがある。
松は風から屋根を守ってくれるという役割があり、かやぶきの里でもほとんどの家の庭に植えられてきた。
景観を守るためにも暮らしと密接に繋がってきた松や庭の植栽を守る活動は大切なもので、『かやぶきの里野田商店』が販売する応援グッズの売り上げの一部を松枯れに対して予防効果がある薬剤注入に使用するなどの活動も行われた。
かやぶきの里はその集落を取り巻く様々なものが保存対象となっている。
茅葺き民家だけでなく、茅葺き民家とともにあるこの風景を全体として守っていく活動を皆さまとともに、今後も続けていきたい。
かやぶきの里では駐車の際にいただく『景観保存協力金』や野田商店で販売している『かやぶきの里応援グッズ』などを通して景観の保存のために活動している。
お越しいただいている皆さまへの感謝と今後のかやぶきの里景観の保全に一層努力していきたい。