くらしとしごと

2025-03-17

 

くらしとしごと。

 

集落を歩くとほのかに香ばしい匂いが三寒四温の寒風に吹かれて香る。

工房からは村のおばあちゃんたちの話し声と作業の風景が見える。

 

かやぶきの里は背後に山、目の前には鮎が泳ぐ由良川が流れる。そんな山裾には多くの薬草が自生している。そんな薬草たちを季節によって手作業で採取して薬草茶を作る取り組みが行われている。知識のある人から製法や効能などを聞き、調べて現在「かやぶきの里健康茶」として集落内の店舗で販売されている。(お土産処かやの里・かやぶきの里野田商店)

 

その製法は全て手作業で行われるもの。

季節に合わせて薬草を採取し、乾燥、炒って調合し完成させる。

主に美山茶、ドクダミ、熊笹、柿の葉、よもぎ、すぎな、オオバコの7種類を適度に調合していく。

かやぶきの里周辺の自然にあるものと、集落に住むおばあちゃんたちの手で一つ一つ作っていくため、多くは作ることができないものの大切に大切に調合されていく。

 

作業は暑くても寒くても行われ、休憩しながら話しながら行われる。仕事ではあるけれどくらしの中のしごととして毎日のことを話し合ったり相談したり、みんなで集まって楽しみながら活動している姿が伺える。楽しみながら作業する中で技術は伝承され、また繋がっていく。地元の中学生にも薬草茶づくりを体験してもらうなどの活動も行い、未来へつなぐ暮らしを伝えている。

 

現代ではコンビニや自動販売機、お茶はどこでも買えるものという印象が強く、こだわることも少ないのではないだろうか。

かやぶきの里健康茶はやかんで沸騰したお湯にパックごとゆっくり煮出して飲む。家で落ち着いて家族と、友達と、お客さんと。

手作りから感じる温かみと落ち着くひと時を楽しめる時間にしてほしい。